金属加工をする際には、金属の表面を綺麗にしておく必要があります。その際に最も活用される手法は酸洗い処理や除錆剤を利用する手法があります。どちらも金属を洗浄するためのテクニックですが、使い分ける必要がありそうです。この記事では、両者の特徴やメリット・デメリットについて紹介します。
除錆剤は、金属の腐食部分を除去するための薬品です。特に、金属が腐食して生じる錆を取り除くことを目的としています。酸洗いではなく、あえて除錆剤を利用する目的は何なのでしょうか。この項では、除錆剤を利用するメリットやデメリットについて紹介します。
除錆剤は腐食・酸化してしまった金属のサビの部分だけを取り除く事ができる薬剤です。酸性・中性・アルカリ性の物がそれぞれあり、サビを取り除きたい金属によって適正が違うので使い分ける必要があります。使い…
除錆剤は金属製品に錆びが生じるのを防ぐ効果がありますが、その仕組みは薬剤によって異なります。防錆剤の含有成分が皮膜を形成して、錆びの原因である酸素の接触を防ぐのが一般的です。しかし、薬剤によっては塗布された金属製品の表面をわずかに溶解させ、その溶液で皮膜を作るタイプもあります。そのような皮膜の形成は金属製品そのものを傷めるのと同じことなので用途も限定されるのが普通です。金属製品の材質によっては異常に溶解が進んでしまい、品質が著しく損なわれる可能性も否定できません。そのため、防錆剤を使う際は薬剤の成分をよく確認する必要があります。 また、薬剤の多くは液体なのですき間や特殊な形状の部品も余さずに保護することができますが、それでも薬剤の粘度によっては十分に行き渡らないこともあるので丁寧に塗布しなければいけません。
防錆剤は塗布してもすぐには皮膜が作られません。薬剤が空気に触れて乾燥することで初めて錆びの発生を防ぐ皮膜が形成されるのです。そのため、防錆剤の塗布作業を行う際は金属製品の水気を十分に拭き取ると共に、作業場の空気も乾燥させる必要があります。水に濡れているといつまでも薬剤が乾燥せず、皮膜が作られないためです。その一方で空気が乾燥し過ぎるのも良くありません。塗ったそばから乾いてしまい、錆びを防ぐ皮膜の厚さにムラができてしまいます。また、防錆剤によっては可燃性の溶剤が含まれている物もあるので、空気が乾きすぎると火災の原因になる静電気の火花が発生しやすくなって危険です。安全かつ質の高い塗布作業を行うには、作業場の湿度管理には十分に注意する必要があります。
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